茨城の地魚の旨さを多くの人々に伝えたい。北茨城市 大津港の和食料理 食彩太信

茨城県 北茨城市大津港の和食のお店 食彩 太信(だいしん)

今回お話をしてくださったのは、代表の前田賢一さん。

食彩 太信は、常磐線大津港駅徒歩2分にある和食料理店。すぐ近くに大津港という漁港があり、水産資源の豊かな場所。そのような立地を生かし、海産物をメインにしたメニューを揃えている。

IBARAKI STAY-LEの趣旨にご賛同いただき、新型ウイルス感染症に負けずに頑張っているお店として、取材をさせていただいた。

(取材日:2020年6月2日、感染症予防対策を考慮の上で取材を行いました。)

北茨城 大津港駅前で食を支えて40年あまり。

−会社とご自身の自己紹介をお願いします。

会社名は株式会社まえけん、代表取締役社長をしております、前田賢一(まえだけんいち)と申します。

お店は飲食業で、「食彩 太信(しょくさい だいしん)」という海鮮和食のお店をしております。

−どんなお料理がありますか?

海鮮丼や、刺身定食、アンコウ鍋やどぶ汁など、海産物を生かしたメニューを揃えています。あとは和食店ですので、カツ丼や生姜焼きなどの、いわゆる定食、食堂メニューも用意があります。

茨城の食材を使うことをモットーとしてまして、茨城で採れたお蕎麦をつかった「常陸秋そば」もだしています。

−前田さんのこれまでの経歴を教えていただけますか。

高校を卒業して18歳で、東京の中野で和食のお店に修行に入りました。当時は15〜16人くらい料理人がいる環境でした。下っ端で入って、大体3年半くらい。人が多い環境の中ではあまり仕事を任せてもらえず、全てを覚えることが難しいと思いそのお店を退職。

地元、茨城の水戸に戻ってきて、他の和食のお店に転職。そこはもともとしゃぶしゃぶのお店で、ここは3年くらい働きました。ある程度このお店で焼き方、煮方、蒸し物、刺身など和食の基本を一通り教わりました。

その後、2件くらい、埼玉の越谷とか東京虎ノ門とかのお店を回って地元に帰ってきて。父がやってたこの店を一緒にやることにしました。

−食彩 太信はお父様が始められたんですね。地元に帰ってこられてからは?

そうですね、元々父が自分が2才か3才の頃にオープンしたんです。大体43年前くらいですね。

自分が帰ってきた当時は、そんなにお魚に力を入れていたわけじゃなくて。そんなに忙しいってわけでもなかったんですね。なので、近隣の企業さんのお弁当とかの仕出しを請け負ったりして生計を立ててた感じでした。

お肉料理をメインにしようか、と話をしたこともあったけど、でも大津港という場所を考えたら、やっぱりお魚だよな。ということでお魚を押し出すようにしようと決めたんです。

魚を押すとなったら、生簀をやろうと思って。知り合いに相談したら「市場に入ったほうがいいんじゃないか」とアドバイスをもらって。その結果、市場での買い付けの権利をいただくことができたんです。

市場に入れるようになってからは、取り扱う魚の種類も増えました。いろいろと市場の親方衆やおばちゃんたちに教わりながら、魚の目利きや、選び方などを学びました。板前としては20年以上の経歴がありますけど、魚の買い付けについては、魚問屋さん任せで、全くわかってなかったんで。

−お店をやりながらも市場に入って直接買い付けられるのはメリットがありますね。市場に入るようになってから変わったことはありますか。

どうせなら、そのお魚を地元にを広めたいよねって。特に「地元の魚をいろんな方に食べてもらって、知ってもらうこと」が自分の使命だなと思ったんです。

市場に出入りしていると、漁師さんとも繋がったりして。結構小さくて値段がつかないようなお魚は捨てられてたりするんです。そんなのもったいないじゃないですか。なので、そういうのは、うちで仕入れて、近くのスーパーさんに卸させてもらってます。
また、近くの旅館やホテル、県内のレストランにも何軒かお魚を納品してますね。

おかげさまで、お魚を通して人の輪が広がって、いろいろと事業が広がってきているような状態ですね。もちろん和食のこのお店が一番ですけどね。

新型ウイルス感染症でも、根強い地域の応援があった

新型ウイルス感染症の影響は?

−自粛要請での影響はありましたか。

売り上げでは3月はほぼ昨年と変わらなかったですが、4月はほぼ半分でした。

歓送迎会とかのキャンセルにあって、そのために4月は大幅に落ち込んでしまった感じですね。

−お客さんの変化はありましたか

割と客層が変わったと思います。ご飯ものをやっているってところもあって、休みなしでお店を開けていると、お客さんって来てくれるんですよね。

以前は、土日などは県外からの観光のお客さんで満席、満車ということが多くて。地元のお客さんが入れないような状況がよくあったんです。

ですが、このコロナのおかげで、といってはおかしいですが、地域の方々にお店に来てもらえるようになったんで、不幸中の幸いというか。

−何かお店として対策をしたことはありますか。

折り込みチラシを入れました。もともとやってた出前を改めて地域の方にお伝えするのと、個室で家族でのお食事ができますよということでお知らせを入れましたね。

個室の予約はそこそこあって、自粛に飽きちゃったお子さんたちにはのびのびしてもらって、親もゆっくりと食事ができたり。家族でとか、カップルとか。そういった方にご利用いただいてます。

家族とかの小さいコミュニティであれば、感染などの心配もないですし。お店としてもご予約に限定数をつけ、お部屋の窓を大きく開けて、換気をよくして、対策を打った上でやっています。

彩よく、味よく、鮮度よく。大津港 地魚のうまさを伝える。

茨城の地魚を美味しく食べてもらいたい。

−お店のオススメのお料理は何でしょうか。

こちらの「プレミア海鮮丼」です。一つの丼でいろんなものが具沢山に見えるように作っていますね。

元々は気まぐれ海鮮丼だけで手ごろな値段でやってたんですけど、最近新しく始めたのがこのプレミア海鮮丼です。ちょっといい魚種を載せるようにしています。

使うお魚も基本的には地元で水揚げされた魚介を使っています。今回ですと、カツオは気仙沼産ですが、他の物は全て地元の大津港で水揚げされた物です。

−何種類ぐらいが乗っているんでしょう。

大体10種くらいです。彩りも気にしてて、赤いものを載せるようにしてます。今回のカツオとかタコとか、今日のは気仙沼のカツオですけど。

どうしても地物の魚は白身魚が多いんです。なのでどうしても、どんぶり全体が同じような色になりがちなんですよね。なので、魚種がわかるように札をつけて、お客さんに説明をしながら、食べてもらうようにしています。盛っている自分も何が何だかわからなくなりますから(笑)

魚の名前がわかるだけでも、楽しんで食べてもらえますし、お客さんによっては魚をスマホで調べながら食べてくれたりしてますね。名前がわかって食べるだけでもより美味しさがますんじゃないかな、って思いますしね。

なので、発見とか驚きとか。もちろん美味しいことは当たり前ですけど。そういうことも含めてひとつの丼に盛り込めるようにと思って作っています。

−お魚は鮮度が大事ですが、鮮度を守るために心がけていることはありますか?

お店に入るお魚は基本的にその日の水揚げのものなんですね。なので、入荷したらすぐに下処理をしちゃいますね。下処理をしないとどうしてもお腹のところからニオイが出てきてしまうんで、すぐにやります。

お魚は生きたまま入ってくるので、そのお魚を生きのいいうちに締めるんです。いけじめとか、神経じめっていうことをします。

神経じめは、頭を落とすと、背骨の上に神経のスジがあるんです。そこに針金を通して神経の筋を取っちゃうんです。そうすることで鮮度よく、いい状態で保存することができるんです。

お魚っていうのは、きちんと締めれば1週間くらいは持つんですよ。元はコリコリ、シコシコとした硬めの食感。その後柔らかくなっていって、熟成が進んでいく。一つのお魚でもタイミングによって3つの味わいがあるんです。

なので、お客さんには「今日上がった魚ななので、コリコリした食感を楽しんでくださいね」とか「いい感じで熟成されてるので旨味が増してると思いますので味わってみてくださいね」とか説明をするようにしてますね。全てが全て自分がお客さんに持ってはいけないので、うちのお嫁さんとか母にも説明してね、と伝えたりしてもらってます。

地元大津港の地魚を生かしながら、北茨城の良さを発信していきたい。

磯焼き(浜焼き)に挑戦したい


−何か、今考えている新しい取り組みはありますか?

そうですね、やっぱりうちのお店の強みは魚なんで、それをもっと強く打ち出せることをやっていくべきかなと考えていて。

その中で考えたのは、浜焼きをやろうかなと考えてます。うちの場合「磯焼き」って名前にするつもりです。県内だと大洗とかでやっているやつですね。

今までうちでやってこなかった、干物とか貝類とかそういったものをお客さんが自分自身で炙ったり焼いたりしながら食べられる。そういったものです。

あんまり北茨城ではやってるところがないので面白いかなと思ってます。北茨城にはそういう文化がないですが、これから情報発信していけばいずれお客さんもきてくれるだろうし、挑戦してみようと思ってますね。

−今後の地域との関わり方について考えていることはありますか

今回のこの新型ウイルス感染症で、県外からのお客さんとか観光のお客さんとかが減って、地元のお客さんがきてくれるようになったんですよね。
そういったところでは、ある意味良かったのかな。って思ってますね。

でも、今後また県外のお客さんが増えたときのことも今から考えておかないとなとは思ってます。

あとはできるだけ、これからも変わらず地元の食材を使っていくことですね。地元の和牛を使った料理を出そうということも今考えていて、これから農場の方とお話をしながら教わっていこうとおもってます。

なので、もちろんお魚もしっかりとやっていきますけど、お魚だけじゃなくてお肉も美味しいものを地域の方に広めていけるようなお店作りをできるようにしたいと思ってます。

食材と人と。笑顔をつなぐ。地元愛を感じました。

港町の大津港。太平洋が目の前に広がります。

お話を伺った前田さんは、地元の食材を広げることに強い使命感を感じてらっしゃるようでした。

できるだけ地元の物しか使わない。その信念は本当に茨城を、地元大津港を愛しているのだなと感じました。

店舗・アクセス

食彩 太信 / 株式会社まえけん
住所:茨城県北茨城市大津町北町2-5-18
TEL:0293-46-5511
WEB:https://sdaisin.info/
食彩 太信 公式サイト

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